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ペチュニア新品種 

こんにちは 植物スタッフの篠原です。

今年は冬場冷え込みが続いた後に急に暖かい日が続いたので桜が一気に開花しましたね。

余談ですが、桜は暖かくなると咲くって訳じゃないんですよ。知ってました?
桜の花芽は夏に出来、秋になると日が短くなり葉を落として冬に備え休眠します。
そして冬に寒さを受けて眠りから覚め、春に温度が上がると花を開きます。
そう、実は冬の時点ですでに目が覚めているのです。
ですから、冬の間にしっかり寒さに当たることが重要で、暖冬の年はうまく目覚めることが出来ず、春に暖かくなっても中々咲きそろわないことがあるそうです。
ですが、こういった年は満開のピークは少ないものの長く楽しめる傾向にあるようです。
今年の桜は一気に咲き誇りましたが、開花期が短く早くも散り始めてしまいましたね。。。

だいぶ脱線してしまいましたが、本日のお題はペチュニアです。
桜とは逆に一年中咲くような性質を求めて品種改良を進めており、だいぶ四季咲き化も進んできましたが、それでもやっぱり春の花着きが一番です!
親株もこのようにすぐに大きくなってしまうので、管理が大変です(汗
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今まで無かったような花形の品種もちらほら出てきました。

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覆輪斑咲×星斑咲でどちらの斑も融合して表現したタイプで、色部分がハート型になる品種の固定を求めていますが、中々固定できません・・・

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これは黒系の子に出てきた五角系咲きです。
少し絣が出ます。

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かつて突然変異で出たちりめん状花を累代固定ました。
しわくちゃです。

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あえて、ちりめん状とノーマル型を戻し交雑したら案外渋くていい花形が出来ました。
一部しわが入る感じが気にいっています。


変わった花も結構出てきて面白くなってきました。
市販にはない特徴を出して行きたいですね!







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ペチュニア~黒の系譜~ 

こんにちは 植物スタッフの篠原です。

数年前、日本に上陸した黒色ペチュニア。
昨年・今年はどこの花屋でも見かけるくらいのブームでしたね。
有名なのは株式会社ミヨシさんの「ブラックベルベット」という品種で、まさに漆黒。
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ブラックベルベットはミヨシさんから黒色ペチュニアシリーズとして3品種同時に発売され、ブラックベルベット以外に黄色い星斑の「ファントム」、ピンク星斑の「ピンストライプ」の2種があります。

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(販売元のミヨシさんの画像です)

ただ、このブラックベルベット、生産者は矮化剤を使っているのかマメにカットバックして形作っているのか露地で育てているのか、花屋での販売時の株型はキリッと締まっているものの富士花鳥園の温室に持ち込むとどうにも暴れる形質があるようで、いい形になりません。
切り戻しても暴れ枝が出るばかり・・・
おそらく前述の育苗環境が原因か、花壇向けに改良されているので、遮光して湿度の高いうちの温室には向いていないのかもしれない・・・と思ったりしています。

そこで、うちの温室ハンギング用に改良したペチュニアに掛け合わせてハンギング系譜にブラックカラーの血を入れ、温室内通年開花ハンギングに向くブラックカラー品種が出来たらいいな~と都合の良い想像を膨らませました。
その交配・播種した系統の花がようやく咲いてきました。

下の写真品種(富士花鳥園交配種PE12-3E:紫星斑系)を母親とした系統です。
PE12-3E○

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おお。ブラック系、しっかり色出てます。
もちろん親よりは薄く銅色や青味や赤味の出るもの殆どですが、案外強い表現型です。

雌親の紫が強く出た子供も当然出てきます。
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こんな青紫や

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錆び色系レッドなんかも

雌親が星型の白斑が入る系統なので、星斑も出てきますが、なぜか黄色い星斑ばかり・・・
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↑二枚の写真の上の品種なんかは花粉親のブラックベルベットと同系統と思われる黄色の星斑品種「ファントム」にそっくりな花色です。
また、ブラックベルベットも実は星斑の形質を持っており、低温・高温・肥切れなどの環境では黄色の星斑が出てきます。
なんとなく、この「黄色」がこのブラックに深く関与している気がします。
冒頭で紹介した「ピンストライプ」なんかは、ベースに黄色が無い様子で、条件が良いとブラックですが、条件が悪いと黒味が薄くなり、ほぼ紫になってしまいます。
おそらく、黒色の遺伝子と言うより、濃紫を追求した系統であり、さらに黄色と濃紫の2色が同時に発現すると、さらに黒味が強く出るのでは???
ただ、今まで花鳥園で黄色と紫の交配をしたことはありますが、黒色は出ず、星斑が出ても白色で黄色は隠れて表現されていない気がします。
同じ黄色でも違う遺伝子なのか???
などと妄想しながら品種改良を楽しんでいます。

早く展示や販売できる品種が出来るとうれしいです。







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ペチュニア色変わり 

こんにちは 植物スタッフの篠原です。

以前紹介したペチュニア新品種。

壁掛けハンギングでだいぶ大きくなってきました。



色変化系品種
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正面からは少しウェーブの入った丸いシルエットの花。ピンクモーンと星模様に咲き分けるのが特徴。
今は高温の影響か星模様に咲いています。

ユリ咲き系品種
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扁平な花型が多いペチュニアの中で弁先が遊び花に動きのある感じの花型。
白からにじみ出るような赤色と一つ一つの色合いの微妙な変化も特徴。

白地にピンク模様品種
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一般的にペチュニアの2色花は紫などの有色部がベースカラーとなり、その中心から星のような模様に白く抜けるものやベースカラーの外側が白く抜けるいわゆる覆輪花が多いが、この2種の特徴を掛け合わせ、
白をベースとして、有色部分が逆に模様として感じるように改良した品種群。
こうした模様はどうしても安定しないものが多く、温度や日長の影響を受けて変化する。
その中から色部分がなるべくハート柄で安定するものを目指して改良中。

新しく交配した種子も播種したし、どんな新しい花色が出るか楽しみです!!

ペチュニア変わり咲き系新品種 


こんにちは 植物スタッフの篠原です。

日本でメジャーなポット苗鉢花のひとつに「ペチュニア」があります。
流通量が多い人気の花苗なので、日本の花業界各社がこぞって品種改良しており、大手から中小企業、さらには生産農家やガーデナーさんと非常にたくさんの育種家が品種改良競争をしている植物です。
以前は、花着きが良く雨や夏に強い品種が求められ、そうしたペチュニアを各社出してきましたが、最近はそうした強健性だけでなく、特徴的な色や形を持った品種が増えてきました。
ペチュニア新世代が来るかもしれませんね。

実は富士花鳥園でもペチュニアの育種、行ってるんですよね~。
といっても販売流通を目的とした鉢花育種ではなくハンギングバスケット展示用にペチュニアの育種を行っています。
よく茂りながら垂れ下がり、花着きが良く、通年開花するといった性質を土台とし、花には色々なバリエーションを求めています。

今回は、今年の新品種の中からちょっと変わった特徴のある品種を紹介しようと思います。

まずはこの品種!
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一見普通の花ですが、隠れた特徴があります。

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基本はこのようなピンクモーンなのですが、

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このように星模様が出る花が咲くことがあります。
実は、ペチュニアの模様は不安定なことが多いので、こうした咲き方をする品種が生まれてくることがあるんです。
どうやら、この品種は温度が高いとピンクモーンの花が咲きやすく、温度が低いと星模様が出てくるようです。
ですから、4月くらいまではほとんどの花が星模様でした。
今は温度が上がってきたので、ピンクモーンが殆どです。

次は見るからに異彩を放つ品種です。
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わかりますか?花があまり開かず、ちりめん状に縮れます。
これ、去年生まれた突然変異なのですが、面白い特徴とは裏腹に観賞価値が低いので、淘汰しようと思っていた株なんです。
ただ、この性質が遺伝するのか気になり、もしかしたら変わった花が次代で生まれるかもしれないと、淡い期待と好奇心で他のペチュニアと交配してみたんです。

その子どもたちが今年無事咲きました!
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ほんの少し縮緬状の風合いや滲み出るような独特の色合いを残し、片親の性質も入って中間的な様子。
完全に遺伝してます(^^;
今までに無い花形ができるかも!?とちょっと楽しみな系統です。

その他にも今までに無かったような花の品種が幾つか生まれています。

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目立つ咲き方のユリ咲き品種。

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可愛らしいシルエットの丸型とピンクスポットが特徴的な品種。

現在、レストラン裏の壁掛けペチュニアにして何品種か展示しながら生育調査・選抜しています!
お越しの際は是非ご覧下さい!

ペチュニアの品種改良 


こんにちは 植物スタッフの篠原です。

春先に播種した富士花鳥園交配ペチュニアがだいぶ大きくなってきました。
今現在栽培場球根ベゴニアの栽培ベッドにちょいとお邪魔して1000ポットくらい置いてあります。
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富士花鳥園では加茂荘で育種された系統のペチュニアを吊鉢や壁掛けとして展示しています。
加茂荘で育種された系統は吊鉢として通年展示するために品種改良されているので、市販の品種にくらべて立ち上がりが少なく枝垂れる性質が強く、温室内では一年中開花します。

その加茂荘系統を主な親にして、市販の品種や過去に富士花鳥園で交配した品種をブリーディングして生まれた子供たちが先ほど紹介したたくさんのポット苗たちです。

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加茂荘のハンギング系統の血を引いているので、ピンチしなくとも最初から横向きに枝分かれして伸びていきます。

今回のペチュニアはある大型企画のために用意した苗ですが、密かにある目的で交配したものも含まれています。
加茂荘の系統で面白い品種を見つけたので、その特性をもっと強く出したいな~と目論んでます。
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こちらがその親ですが、個人的に気に入った「ある模様」が不安定ながら現れるのです。

その子供たちの幾つかが開花して来ていますが、まだ「これだ!」って言う花は咲いてきていません。
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たとえばこんな子や・・・

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こんな子が生まれています。
う~ん、惜しい。

これから次々に初花が咲いてくるので毎日楽しみで仕方ありません(^^♪
育種家の一番楽しい時間です☆

私の気に入った模様が安定して出る品種ができますように!